落ち着きのない大人が 手あたり次第にチャレンジします!!

雑誌を立ち読みして泣くおじさん(わらプレvol.84)

2020/04/11
 
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社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

(今回のあらすじ)
・人前で話すのが苦手な人は「良い人」が多い
・人前で緊張するのはアレルギー症状に似ている
・好きな本や親友、憧れの人を紹介してみよう

昨日は「新ネタライブ」の初日でした。
そして今日が千秋楽、最終日です(笑)
自分として「もうちょっとここをこう出来たんじゃないかな」というところはありましたが、概ね良かったんじゃないかと思います。
お客さんもとっても温かくて助けられました。

そして、昨日はライブを見に来て下さった知り合いと飲みに……
は行かずに敬一郎と飲みに行きました。

敬一郎が青森から東京へ研修に来たという連絡を受けたので、一緒に飲みに行ったのです。
(彼は千葉出身ですが、現在は青森で旅館業の仕事をしています)

この敬一郎はとっても変わった奴で、面白い奴です。
元々は声優養成所にいた時のクラスメートで親友です。
クラスメートと言っても、僕は歳を取ってから養成所に入ったので、敬一郎は学年で言えば8つ下です。
お芝居がとっても上手で、15年前の養成所時代の彼の演技に、僕はいまだに歯が立たないと自負しています。

敬一郎は周りの人の面倒をよくみます。
僕が養成所から今のザ・ニュースペーパーに入ろうかと悩んでいた時、進路の他に大きな悩みは「バイト」でした。
ザ・ニュースペーパーに入っても当分は見習いで、自分でバイトを探さなければならなかったからです。
当時、僕は群馬県で携帯販売の派遣社員をしていました。
しかし、ニュースペーパーの見習いを全うするには東京で生活しなければなりません。
33歳の僕にとってバイトを探すのは20代の頃と違って難しいものになっていました。
バイト先の社員が自分より年上のバイトは使いにくいと敬遠するため、面接で落ちまくるのです。
そんな僕の状況をどこからか聞きつけてきた敬一郎は、自分がバイトしているテレホンアポインターのバイトを紹介してくれました。
ただ紹介しただけではありません。
新規の求人はないかと色んな部署のスーパーバイザーに聞きまくって、面接の段取りまでして、面接を受けにいくときの服装や受け答えのアドバイスまでしてくれました。
それもクラスメートだった時ではなく、お互いに離れてから3年経った後のことです。
僕はそのおかげでかなり高時給のバイトにありつけました。

彼は声優養成所から劇団俳協のオーディションを受け、正所属となりました。
当時は「養成所ガイド」という俳優とか声優を目指す人が必ずと言っていいほど手に取る、1年に1度発行される有名な冊子がありました。
高校受験で言えば、「高校受験案内」的なものですね。
調べてみたら、今はもう発行されていないようですが。
その巻頭特集に、その年に劇団俳協に受かった7人がインタビューされていて「すごいことなんだなぁ~」と驚いた覚えがあります。
その7人のうちの1人が敬一郎でした。
何気なく本屋の店頭で手に取って、敬一郎の名前と写真を見つけたときは本当に興奮しました。
立ち読みで夢中で読み進めると、「今回の合格を誰に伝えたいですか?」という設問がありました。
他の合格者が両親や養成所の恩師の名前を挙げる中、敬一郎はたった一言、僕の名前をフルネームで挙げていました。
敬一郎はそんなインタビューを受けたことすら僕に話してもいませんでした。
僕は本屋の店頭で泣きました。
30歳過ぎのおじさんが本屋の店頭で養成所ガイドを立ち読みして泣いている。
はたから見たら、さぞや気持ちの悪い光景だったと思います(笑)

敬一郎に関するエピソードはこんなもんじゃありません。
30歳過ぎの僕が文学座の養成所を受けてみようと思ったときに、「じゃ、俺もくわっちと一緒の道を進む」と所属の俳協を辞めて受験に臨んだ話とか、
その後パラオに行って3年間スキューバダイビングの店で働いていた話とか、
もうキリがありません。

さて、何故、長々と敬一郎のアピールをしたかと言うと、昨晩、敬一郎と飲んでいた時に気が付いたことがあったからです。

自分の親友のエピソードだと、それこそ溢れるように次々に話題が出てくるのです。
その時にふと思いました。
「きっとみんなもそうなんじゃないかな」と。

そこで改めて考えてみると、人前で話すのが苦手だと「思い込んでいる」人は、いわゆる「良い人」が多いんじゃないかなぁと思ったんです。
どういうことかと言うと、極端な話、「空気が読めず、自分の言いたいことだけを言う人」なら、相手が聞いてようが聞いてなかろうが関係なく話すわけです。
そんな状況なら、人前で話すことが苦にはならないわけです。

人前で話すのが苦手だと思いこんでいる人は、周りの空気に敏感なのです。
アンテナの感度が高いのです。
常に周りの雰囲気に気を配っている人なのです。
僕は、そういう人を良い人だと思います。

話は突然変わりますが、アレルギー症状ってあるじゃないですか。
この時期だと花粉症とか。
あと食物アレルギーなんかもありますよね。
あのアレルギーって、本来は身体に害をなす異物が入ってきた時に、その敵を攻撃する働きなんだそうです。
それが過剰に反応してしまい、ショック状態を引き起こしてしまう。

きっと人前で話す時に緊張してしまう現象って、これに似ていると思ったんです。
周りの空気を読む感度が優れている。
それにプラスして、自分自身に対する評価が低い。
結果的に「私なんかがする話なんて、誰も聞いてくれるわけがない」と思い込む。
そして聞き手の空気に過剰に反応して、緊張したり、ひどい時には心に傷を負ってしまうのです。

そんな時に「自分の親友」「自分の好きな人」「自分の好きな本」「自分の好きなマンガ」「自分の好きな音楽」の魅力を誰かに説明してみれば、良いトレーニングになるのではないか、と思ったのです。
つまり、現状では自分の言いたいことを伝えようとすると「自分自身に対する評価が低い」ので、アレルギー症状が起きるのです。
であれば、それを回避する方法は2つ。

1つは自分自身の評価を上げる。
もう1つは、「自分のために」何かを伝えようとするのではなく、「誰かのために」何かを伝えようとする。
当然、現状では後者の方が簡単です。

自分が好きな「誰か」の良さを伝えようとする。
自分が好きな「何か」の素晴らしさを伝えようとする。

この時、聞き手の評価は「話をしている人」ではなく、「話している内容の人・モノ」になります。
そして自分のためには頑張れなくても、誰かのためには頑張れるものです。

何故かって?

それは「人前で話すのが苦手」だと思い込んでいる人は「良い人」だからです。
まずは初級編のトレーニングとして、是非、お試しあれ!!

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