落ち着きのない大人が 手あたり次第にチャレンジします!!

ハクソー・リッジと人前での話(わらプレvol.98)

2020/03/30
 
この記事を書いている人 - WRITER -
社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

先日、映画をお勧めされました。
なので銀座博品館劇場の稽古の合間を縫って
観てきました。

「ハクソー・リッジ」

元々、戦争映画はあまり得意ではありません。
見終った後に受けるダメージがデカ過ぎて……。

もっと言うと、お芝居でも映画でも小説でも、
悲劇や救いようのないバッドエンディングものは
極力観ない様にしています。

ただ生きてるだけで結構苦しい思いをしてるのに
お金を払ってまで、哀しく辛い思いをしたくない
と思ってしまうのです。

さらにこの映画はアメリカ軍が日本の沖縄を
侵略するシーンをアメリカ軍側から描いた話。
ますます気乗りしません。

しかしお勧めされたからには見ない訳に行かない。
しかも「今年上半期でダントツに良い映画」と
まで言われたら断れない。

まだ観ていなくて、観ようと思っていたら困る
ので、ギリギリ、ネタバレにならないように
説明しますね。

っていうか、この映画はストーリーを知って
いてもなんら変わらず観られます。
楽しめます、というとちょっとニュアンスが
違っちゃうので、「観られます」とします。

主人公は人一倍優しく、ともすると臆病とも
捕らえかねない青年。
そんな青年が「絶対に武器を持たない」「絶対に
人を殺さない」と堅く誓いながらも戦場に向かう
話です。

観終わって幾つかのシーンを思い返していて、
ふと気づいたことがありました。

そんな性格の主人公が、そんな条件のもと、
殺し合いの真っ只中に赴いて、なぜ彼は後世に
語り継がれるほどの行動を取れたのだろう?

どうやって恐怖に打ち勝ったのだろう?

どうやって緊張の呪縛から脱したのだろう?

答えは「自分の為ではなく、他人の為」でした。

自分がどうやって生き残るのかと考えたら、
きっと人は行動出来なくなる気がします。

こっちに動いたら撃たれるんじゃないか?
攻めたら返り討ちにあうんじゃないか?

主人公は「目の前の人を救う」という自分の
信念を貫くことで驚異的な行動が出来たのだと
気づきました。

カーネギーの「人を動かす」という本の中にも
寝たきりの老女に戦地で行方不明になった人達の
連絡係を任せる話が出てきます。
誰かの役に立とうと一生懸命、連絡係に専念して
いたら、知らぬ間に部屋の中を歩き回れるまでに
回復していたという話です。

逆に、もしかしたら、為政者はその原理を
熟知していて、だからこそ「お国のため」
「守るべき人のため」と大義名分を炊きつけて、
行動させるのかもしれません。

現代こそ「他人の為」「皆の為」という言葉に
惑わされることなく、本当の「他人の為」に
ついて考える時なのかもしれませんね。

そこまで大袈裟じゃなくても、この考え方は
緊張をほぐすのにとても効果的です。

授業で大勢の生徒の前に立って緊張した時、
結婚式のスピーチで皆に見られて緊張した時、
プレゼンで鋭い視線が向けられ緊張した時、

「自分が上手く話せるか?」ではなく、

たとえば
「これを生徒達が知れば、きっと生徒の役に立つ」
「この新郎の良いところを皆に伝えてあげたい」
「この商品、このプロジェクトによって、
こんなに皆がハッピーになる。喜べる」

そういう「聞いてくれている皆」にフォーカス
して話すことが出来れば、緊張しなくて済むと
思います。

「自分がどう見えているか?」より
「どう言えば、この人に伝わるだろう? ストン
と腑に落ちるだろう?」ばかりに注意を払うから
です。

ブザマでも、カッコ悪くても、たどたどしくても
良いんです。
伝えるべき事を伝えられて、相手の考え方や、
行動や意識・知識に変化を与えて喜んでもらう。

そう考えると、なんか緊張を振り払うのが
ちょっと誇らしい感じがしませんか?

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社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

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