読書感想文と就活面接(わらプレvol.110)
おはようございます。
今日は大阪の新歌舞伎座で公演です。
今は新幹線の中からこれを書いています。
新歌舞伎座ですよっ!!
30歳を過ぎた頃は、サラリーマンを辞め、
声優養成所に通ったものの先行きは見えず、
「この先、僕はどうなってしまうんだろう?」と
思っていた僕が、新歌舞伎座で公演。
なんだか不思議な気持ちです。
僕なんかが新歌舞伎座の舞台に立っていいのかな?
おそらくザ・ニュースペーパーのメンバーも
「桑山なんかが立っていいのかな?」と全く
同じ気持ちでいると思います(笑)
さて、昨日の「読書感想文のズル技」ですが、
やはり「私もやってました」という前科者(笑)は
いました。
そのズル技が就職活動に役立つという話ですが、
それはどういうことかと言うと……
【言葉の裏側を考える】
ということです。
この前、映画監督のワークショップに参加した時、
監督が言っていた言葉があります。
「台詞は嘘をつく」
つまり、恋人同士が目を見つめ合って笑顔で言う
「大嫌い!」は本当に嫌いなわけではない、と。
だから台本に書かれている言葉を、そのまま
鵜呑みにするのはとても危険なことであると
おっしゃってました。
なるほど、確かに!!
それを感想文に当てはめてみると、
本当に「読んだ本の感想」を聞いている訳では
ないのではないか? となります。
じゃ、何を聞いているのか?
ズバリ本人の考え方、感性、もっと言うと
その人の人間性です。
「僕は優しい性格です」と言うより、
「桃太郎はおばあさんの悲しむ姿を見たくなくて、
勇気を振り絞って鬼退治に出かけたのだと思います」
と言った方が『この子は優しい子だな』と伝わる
というわけです。
人間は抽象的な事柄より具体的な事柄の方が
イメージしやすいのです。
これは僕の私見なんですが、読書感想文という
のは、その人の人間性を「本の感想」という形式
を使って表現する訓練なのではないか、と思う
のです。
同じ商品を売っている営業マンでも売れる人と
売れない人がいます。
これは「説明の上手さ」より「人柄」の方が
大きい気がします。
この人柄を表現する訓練が、実は感想文の
本当の目的なのではないかと思うのです。
だとすれば、「本の最初から最後まで一文字も
逃さず読み切って、感想を書くこと」が大事
なのではなく、「自分という人間性を表現する」
ことが大事なのではないか、と思うのです。
さて、就職活動でいうと、これはどういうことに
なるのか?
就活では、ごくたまに「なんでそんな事を聞くの?」
という質問をされることがあります。
「家族構成は?」
「最近、読んだ本は?」
「TPPについて、どう思いますか?」
これをバカ正直に答えて、それで終わりにする方が
います。
「父と母と弟がいます」
「映画にもなった、君の膵臓を食べたいという
小説を読みました」
「牛肉や野菜が安くなって良いと思います」
これではダメです。
だって、考えてみて下さい。
これからその企業に入って仕事をするのに、
家族構成も最近読んだ本もTPPも全く関係ないん
ですよ?
ってことは、その質問はフック(きっかけ)で、
そこを切り口に「自分はこういう人間です」と
いうことを具体例で示さなければいけない、と
いうことです。
質問の裏側を考える、ということですね。
これ、他の人はほとんで出来ていないので、
これが出来るだけで内定の確率は跳ね上がります。
何も難しいことを言う必要はなくて
「TPPですか……実を言うと、そんなに詳しい
ところまではわかりません。でも、野菜が安く
なると聞いたことはあります。それで喜ぶ人は
どんな人なのか、それで困る人はいないのか?
ニュースは遠いものだと思っていましたが、
これをきっかけに自分の身近なものに置き換えて
色々考えてみたいと思います。いいきっかけに
なりました。ありがとうございます」
100点の答えではないと思いますが、これだけでも
「詳しくない」と答える正直さ、「身近なものに
置き換えて考えてみよう」という勉強熱心さ、
「困る人はいないのか」という優しさ、
「ありがとうございます」という感謝を大切に
する気持ちが多少伝わるのではないでしょうか?
もちろん、自分の実体験を絡ませられれば、なお
良し、です。
今日は「小学生向けの読書感想文」から、かなり
離れちゃいましたね。
そして、長くなっちゃいました。
ごめんなさい。
明日は僕が最近感銘を受けた、ある先輩の感想文
をご紹介します。