あなたのプレゼン、蜘蛛の糸(わらプレvol.169)
お久しぶりです。
桑山です。
ザ・ニュースペーパーの本公演の稽古もいよいよ大詰めになってきました。
あれ?
そういえば最近、メルマガ書いてないなぁと思って調べたら、前回は玉村公演に向かうバスの中で書きかけて止まってました。
ということは6月3日ですから、一ヶ月以上放置されていたってことですね。
失礼しました。
この一ヶ月、色々なことがありました。
6月14日に自転車で転んで左肘を亜脱臼。
6月30日にパイプイスで転んで右手薬指を亀裂骨折(ヒビ)。
と、ありがたくないこともありましたが、本公演の稽古に入る前までは久々に小説の勉強をしてました。
毎週、出された課題で短編小説を書くのですが、書き出せば(面白い面白くないは別にして)割と書けるのですが、書くまでがなかなか腰が重くて結局課題を2つ出せませんでした。
その小説の勉強会でのこと。
僕の小説の師匠、高橋フミアキ先生が言った言葉が「なるほど~~」でした。
「人は文字を読んでも文字を覚えていない」
は??
って感じですよね?
文字を忘れちゃうってこと?
そんな訳ないじゃん。
何、言ってんだろ。
そんな感じですよね?
僕もそうでした。
更に聞いてみると
「人は文字を読んでも文字を覚えていない。人が覚えているのはストーリーだけ」
それでも、たぶん僕を含めてそこにいた受講生がポカ~~ンとした顔をしてたんでしょうね。
先生は、「芥川龍之介の『蜘蛛の糸』っていう話を知ってますか?」と聞きました。
そりゃ、確かに僕自身あまり本は読んでませんよ。
「趣味は?」と聞かれたら、「多読」でも「乱読」でもなく「積ん読」ですよ。
先生が参考文献に挙げる小説は、ほとんど知りませんよ。
でもね、それでもですよ、先生。
蜘蛛の糸や鼻くらいは知ってますよ。
羅生門は題名だけで実際に読んだことはありませんが。
あ、地獄変は養成所時代に付き合っていた女の子が好きだって言ってたので、頑張って読みましたけど。
蜘蛛の糸って、カンダタという悪者が地獄でもがいているとお釈迦様が蜘蛛の糸を一本垂らす話でしょ?
で、カンダタが「これ登れば極楽に行ける」と思って、一生懸命その糸を登る。
ふと後ろを振り返ると、カンダタの後を追ってたくさんの悪人が蜘蛛の糸を登ってくる。
おいおい、そんなに登ったら糸が切れちゃうじゃないか。
だって細い蜘蛛の糸なんだぞ。
こら、お前ら登ってくんな、このっ、このっ!!
そうやって蹴り落してると糸が切れて地獄へ真っ逆さま。
ん? お釈迦様が糸から手を放すんだったっけか?
ま、でもそんな話ですよね?
バカにするなという顔をしていたんでしょうか。
先生はゆっくり頷いてにっこり微笑みました。
「では、書き出しはどんな文だったか覚えていますか?」
途端に僕の顔はこわばりました。
か、書き出し???
「吾輩は猫である」とか「坊ちゃん」くらいならわかるんだけどな。
カンダタは……とかだったっけな?
そもそも、どのシーンから始まるんだっけな?
ちなみに、蜘蛛の糸の書き出しって、パッと答えられます?
正解は……
ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。
でした。
あぁ、言われてみれば……。
そんな感じだったかも。
「もちろん本を読むときは文字を読んで理解するんだけど」
先生はゆっくり喋り始めて、もう一度繰り返しました。
「人は文字を読んでも文字を覚えていない。人が覚えているのはストーリーだけ」
なるほど!!
それと同時にこうも思いました。
「これって、授業やプレゼンでも同じだな」
どんなことでもストーリー仕立てで話せれば、印象に残ると思いません?
とはいえ、これはなかなか難しい話です。
でも、その時に僕は「こうやれば比較的簡単なところからトレーニングできるんじゃない?」という練習法を思いついたんです。
なんだと思いますか?
それは、また次回。
「きっと、こうだ!!」「私なら、こうする!!」
って思いついた人はこのメールに返信して教えて下さいね。
P.S.
7月25日 19:00から東京・中野の劇場MOMOで上演されるお芝居を観に行こうと思います。
どなたか一緒に行って下さる方はいらっしゃいますか?
「幕末地球防衛軍」という少しライトノベル的なお話です。
https://www.ookami-class.com/bakumatsu
一緒に行ってもいいよという方は、このメールに返信してご連絡下さい。
詳細をお知らせします。
ちなみにチケット代金は 3,500円です。