声の出し方について(わらプレvol.137)
こんばんは、桑山です。
こんな時間にすみません。
今、僕は広島公演を終えて、下関に移動してホテルに泊まっています。
明日の下関公演のことを考えると、ちょっとドキドキします。
ここ下関はニュースペーパーのフル公演としては初めての場所。
どのくらいの認知度なんだろう?
どのくらいの反応なんだろう?
それにしても、今日はとっても色々なことがあった一日でしたね。
藤井聡太五段は羽生さんに勝ち六段が確定したり、羽生結弦選手は金メダルを獲るし……。
なにも公演日にこんなに集中しなくても、という感じでした(笑)。
……といっても、どちらも僕の役柄には関係ないんですけどね。
さてさて、本題。
前回の「声の出し方」についての質問の答えです。
声の出し方については、細かく言えば色々あります。
例えば発声。
例えば台詞の粒立て方。
例えば台詞のスピードの緩急、強弱。
どれも大事です。
どれも大事ですが……敢えて語弊を恐れずに言えば……声の出し方については【気にしなくて良いです】。
正確に言うと、「声の出し方よりも、もっと気にすべきことがある」ということです。
僕なりの基準でいけば
1.話題の選び方
2.聴衆(観客)の観察・目線
3.話の構成
で、6くらいに【声の出し方】だと思っています。
なんでか?
では、思い返してみて下さい。
饒舌な人の話の時だけ、話してる内容に引き込まれますか?
むしろ朴訥とした話し方をする人の話に耳を傾けてしまったことはありませんか?
聞き取りにくいボソボソした喋り口調の人の話をなんとか聞き取ろうとして耳をそばだててしまったことはありませんか?
そうなんです。
実を言うと【饒舌な人より朴訥とした話し方の人】の方が、【大きな声ではっきり喋る人より多少聞き取り辛い人】の方が注目を集めるという点では有利なんです。
とはいえ、これも程度の問題です。
延々と聞き取れない滑舌で喋られれば途中で聞くのを諦めます。
同様に延々と聞き取れないボリュームでボソボソ話されれば、途中で興味は失せます。
では、何故「普通に考えれば不利に思われる方が集中させられる」でのでしょうか?
それは、聞き手を能動的にさせられるからです。
聞き耳を立てなければ、聞き取れない。
結果的に【自分から聞こうとする態勢】を要求させるからです。
何気ないことに感じるかもしれませんが、実はここがとても大事なのです。
例えば催眠術。
例えばマジック。
これ、言っちゃっていいのかどうかわかりませんが、催眠術もマジックも、あたかも【自分で選んだ】かのように誘導するのがポイントなのです。
何故かと言うと、人間は自分で選択したものは信じようという心理が働くからです。
これを心理学的には「一貫性の原理」といいます。
この一貫性の原理を、どうプレゼンに応用するかという話は別の機会にするとして、話を元に戻しましょう。
じゃ、そもそも何故「声の出し方」が気になるのか?
僕もこの『わらプレ』を書くようになってから、色んな関連書籍を読みました。
「話し方のコツ」
「伝わりやすい話し方」
などなど。
だって間違った知識を伝えてしまっては申し訳ないじゃないですか。
僕が考えているより、もっと適切なノウハウがあるかもしれないじゃないですか。
そう思って、これらの本を読み漁りました。
この手の本に多いのは、元局アナで現役のアナウンサーが話し方をまとめた本です。
それらを読むと、必ず「声の出し方」について触れています。
だから、プレゼンや話し方を勉強している人ほど『声の出し方』に意識が行ってしまうのです。
しかし、これには大きな落とし穴があります。
その落とし穴というのは……
ちょっと長くなってしまったので、続きは次回に(笑)。