朝食会に行ってきました(わらプレvol.143)
こんにちは、桑山です。
今日は花粉が凄いですねぇ。
この花粉が凄い中、朝食会に行ってきました。
僕の小説の師匠、高橋フミアキ先生との朝食会です。
小説のこと、実用書のこと、「今、どんな講座をやっているか」というビジネスの話などを聞きながら、サラダをバリバリ食べていました。
小説の話で話題になったのは「登場人物」の話でした。
「登場人物をしっかり描けていれば、あとは舞台がどこの場所でも小説になる」
つまりは登場人物の考えや抱えている悩み、そして気持ちの揺れ動きこそが大事だ、と。
思えば高橋先生の講座では「葛藤」と「テーゼ・アンチテーゼ・アウフヘーベン」がよく語られていました。
僕が高橋先生のもとを訪れたのは、今から3年前の春。
文章教室に伺うと、若干丸い体型の先生が迎えてくれました。
くりくりした目と人懐っこそうな笑顔がとても印象的でした。
のちに「ポンポコ先生」というニックネームがついていることを知り、深く頷きました。
お酒が大好きで、酔っぱらうと必ずと言っていいほど大声で皆と乾杯します。
「毎日がぁ~~、エブリディ~~~!!!」
と、訳の分からない掛け声を発し、「イェーイ!!」と皆を盛り上げます。
先生とお酒を飲んでいると僕だけでなく、周りの人も皆元気になります。
広島出身の、大の広島カープファン。
小説講座の中で「描写文」の手本として、重松清さんの『赤ヘル1975』を使うほど。
「今、説明したことに注意しながら、この描写文を聞いてみて」
と、『赤ヘル1975』を朗読しながら、ボロ泣き。
鼻水をすすりながら
「このルーツ監督っちゅうのが、またエエ奴なんやぁ。ちゃ~んとカープの事を考えて……うぅぅ~」
と、またもボロ泣き。
授業が一時中断したこともありました。
僕ら生徒が課題の文章を書いていると、ニコニコしながら巡回します。
時々後ろから覗き込んでは
「うんうん、大丈夫。おもろいよぉ。文章書くのは楽しいじゃろ。大丈夫。絶対、書き上げられる」
と静かな口調で語りかけてくれます。
それを聞いたときに胸の内側から温かいものがみなぎってくるのを感じました。
その後、ホワイトボードの裏でこっそりと太田胃散を飲んでいるのを見て
「作家って大変な職業なんだなぁ」
と感じたことも鮮明に覚えています。
……なんだか先生が死んじゃいそうな勢いですが(笑)
安心して下さい。
先生は今朝もニコニコ元気でした。
さて、いかがでしょう?
先生の人柄がなんとなく伝わりましたか?
【広島県出身のいつも笑顔で明るい小太りな先生】
と、書くよりも身近に感じることが出来たのではないでしょうか?
(ちなみに現在はダイエットに成功して以前よりはかなりスリムになりました)
これが「ストーリーの力」なのです。
箇条書きで性格を説明されるより、エピソードを絡めた方が心に残りやすいのです。
ちなみに夏目漱石の『坊っちゃん』の冒頭も、この方法でエピソードを連投することで、坊っちゃんの性格を印象付けることに成功しています。
この「ストーリーの力」、使いこなすのはなかなか難しいのですが(僕もいまだに研究中です)、効果は折り紙付きです。
例えばプレゼンでの「この商品を購入した後の生活」や「商品の開発秘話」など。
例えば、授業での「この数式にまつわる思い出」や「この実験が初めて成功した時の博士のエピソード」。
例えば、結婚式のスピーチで「新郎の人柄を紹介するとき」に。
なんか使えるスキルな気がしてきたでしょ?
では、質問。
「どんなシーンで、聞いている人の心をわしづかみにするストーリーを語ってみたいですか?」