先輩のコメント(わらプレvol.111)
こんにちは、桑山元です。
夏も終わりに近づいていますね。
うちの子、コジローの夏休みは8月31日まで
だと思っていたら、8月25日に始業式でした。
なんか昔とは色々と違っているみたいです。
ラジオ体操も8日間しかなかったし……。
僕らの頃は40日間まるまるあったのになぁ~。
さて、今日は読書感想文の最後です。
このメルマガではいつも出てくる先輩、
ザ・ニュースペーパーの松下アキラさんの文章を
ご紹介しましょう。
最初に言っておきますが、読書感想文では
ありません。
僕が出演した映画「BOURBON TALK」の劇場公開に
向けて、著名人にコメントをもらおうという話に
なり、松下アキラさんに短編映画を観てもらい、
コメントをお願いしました。
すると、こんな「コメント」が届きました。
まずは読んでみて下さい。
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「BOURBON TALK」
シュールとベタの境界線を絶妙なバランスで
綱渡りしている映画でした。
シュールは度を越すと訳が分からなくなって
着いて行けなくなるが微妙に超えない。
ベタも度を越すと笑えないが超えそうで超えない。
なんだこのギリギリのラインはとっても気持ちの
よい脚本。
バラバラの個性の俳優達がワンシチュエーション
の中で溶け込んで生きる。
見始めはとっつきにくい雰囲気ながら、あっと
いう間に引き込まれ目が離せなくなった。
一挙手一投足に注目し、一言一句聞き漏らさぬ
ように集中してしまう。
意味なさそうでありそうなセリフに、無駄な努力
と分かっていながら物語の核心やキャラクターの
バックボーンを探ろうとしてしまう。
見終わるまでただのコメディーではないはずと
疑ってしまう。ずるい。ずるいよ、この演出。
醸し出す空気感、間とかタイミング、すべて
計算ずくなのか。
なんか笑ったし、とにかく笑った。
なんとなく観るのもいいし、構えて観るのもいい。
事前に情報の少ない映画は期待しないで観るのが
正解だが、この映画のタイトルは「BOURBON TALK」
ここに答えが詰まっている。期待して観ていいと
思います。
続編を観たいと思わせる映画です。オススメです。
松下アキラ
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いかがですか?
とっても読みやすいと思いません?
色々と素晴らしい点があるのですが、今回は
3点に絞って解説したいと思います。
まず最初に
コメントを求めたのに
【ちゃんとお勧め文になっている】
これは読書感想文で提唱してきたことと同じです。
2つ目は、
【一次情報で書いている】
ネタバレしないように、あらすじには一切
触れていないのに、あたかも今観ている真っ最中
の心の声を実況中継しているような形式で
書かれています。
誰かから聞いた話だったり客観的過ぎる二次情報
ではなく、自分が体験した一次情報で書かれて
いるのです。
これは難易度が高いので、すぐに小学生が
マネ出来るレベルではないのかもしれませんが
これを使うと文章に俄然、臨場感が出ます。
これがスルスルと読めて、なおかつ文章に
引き込まれてしまうカラクリなのです。
そして最後に
【ポジショニングが確立されている】
ポジショニングとは、自分が何者なのか、もっと
いうと「自分は何の専門家なのか」ということを
ブランディングするマーケティング用語です。
このコメントの中で、松下アキラ先輩は、
自分がお笑い芸人であることを前面に押し出して
お笑い芸人としての意見を述べています。
そしてお笑いのプロが「この映画の笑いどころ」
を語るのですから、イヤでも説得力が出てきます。
読書感想文でもプレゼンでも、
これだけ引き締まった内容なら理想的です。
僕もこのコメントを何度も読み返して勉強したい
と思います。