カイダンの世代(わらプレvol.185)
今日は練馬公演です。
平日なのに2回公演。
昼間公演なんてお客さん入るのかなぁと心配していましたが、意外や意外、ほぼ満席です。
ありがたいことです。
メルマガをお休みしていた2ヶ月の間に色々な事がありましたが、その中でもビックリしたことがありました。
「怪談えほん」という文学賞の最終選考に残ったのです。
僕はコントが全く書けなくなってしまったスランプの時期に、なにか糸口をつかもうと作家の先生のところを訪れました。
小説の勉強をして、何かコツとかきっかけを掴もうとしたのです。
その先生は累計で50万部を出版されている、高橋フミアキ先生。
高橋先生は特に社会人相手の文章術の書籍では、日本一の出版部数を誇る作家さんです。
今でもスケジュールが合えば、小説教室や文章教室に通っています。
で、5月くらいにライター講座に通った時に、課題に出されたのがこの「怪談えほん」でした。
応募要項を見るとコンセプトは「子どもを本気で怖がらせる」
小学校低学年向けに、1,000文字くらい。
1,000文字って長いかなと思っていたのですが、実際に書き始めてみると使える漢字が限られているので、逆に文字数が足りない!!
これが意外に難しい。
1つ書いてみるが、なんかイマイチ。
2つ目も書いてみるが。なんかぼやけている。
ん~~、ちょっと違うんだよなぁ~。
3つ目も書いてみるが、しっくりこない。
結局、4つの話を書いてみました。
応募に制限はなかったので、とりあえず4つとも提出してみました。
そうしたら、4つ目に書いたものが最終選考に残りました。
応募総数3,011作の中の20作に残りました!!https://www.iwasakishoten.co.jp/special/kaidan/2018/secondselection/
いや、別に自慢がしたくてこの話をしたわけではありません。
実は、これに挑戦してみてわかったことが幾つかあったんです。
何だと思いますか?
今日は三択にしてみましょう。
1.恐さの本質がわかった
2.ひらがなと漢字の割合が重要だとわかった
3.数が大事だと分かった
さぁ、どれだと思います?
正解は「3」
数が大事だと分かった、です。
どういうことかと言うと、1,000文字なので、比較的簡単に書けるんですね。
クオリティを抜きにすれば。
たぶん以前の僕なら、珠玉の1作品を書こうと気合いを入れたことでしょう。
ところが、今回はライター講座中に書き上げなければいけません。
周りをみるとドンドン書き始めています。
ヤバイ!!
何でもいいから、とりあえず書かなきゃ!!
で、書き上げました。
当然のことながら、出来は全然良くない。
家に帰ってからもあまりにも悔しいので、2作目を書いてみました。
しっくりこないので、3作、4作。
そうすると、ちょっとずつ感覚がつかめてくるんですね。
今度はこうしてみよう。
ダメだと思うけど、あえてこれをやってみよう。
あ、こういう着地点にすると意外とおさまりがいいかも。
で、気づいたんです。
【量は質を凌駕する】
【数打ちゃ当たる】
これらは本当だということに気づきました。
同時に「一発必中」を狙うと、かなりの確率で失敗するということもわかりました。
1回でクオリティの高いものを作ろうとすると、常に「これは面白いのだろうか?」と自分に問いかけながら作るようなものです。
自動車に例えると分かりやすいかもしれません。
「これ、もしかしたら面白いんじゃないかな」という思いがアクセルだとするならば、
「これは本当に面白いの?」と審査する行為はブレーキです。
つまり「一発必中」で高いクオリティのものを作ろうとすると、ブレーキ踏みながらアクセルを吹かしている状態なのです。
思ったほど進まず、しかも凄く疲れます。
疲れるのに成果が出ていないので、「やっぱり自分なんかダメなんだ」と自己嫌悪に陥ります。
今日の結論
いきなり良いものをつくろうとしちゃダメ。
とりあえず笑っちゃうくらい酷いクオリティのものを作る。
で、それを踏まえて、それを改良するなり、新しいものをイチから作るなりする。
一見遠回りに見えるけど、こっちの方が結果的に近道になる。
これからもクオリティをあまり気にせずメルマガを書いていきますので(笑)、気長にお付き合いください。
そのうち徐々にクオリティが上がってくる……はずです。
練馬公演の本番中の楽屋より愛をこめて
P.S.
5人以上の方が希望して下さったら、「怪談えほん」に応募した話をメルマガに載せます。
10人以上の型が希望して下さったら、酷い出来のものも含めて、4作品を全部メルマガに載せます。
……ま、来ても1人だろうな(笑)