電話恐怖症とホリエモン(わらプレvol.38)
昨日は映画「僕は明日、昨日のきみとデートする」を観てきました。
これ、観たかったんですよ。
小説も読みました。
たまたま映画化が決まったタイミングで、原作小説の広告が電車に掲載されていたのがきっかけです。
「100万部突破の小説が映画化決定」みたいな見出しでした。
100万部?
それ、かなりだよ?
聞いたことないよ、その小説。
盛ってんじゃないの??
そんな疑いの目から、その場でアマゾンにアクセスして早速注文。
読んでみました。
読み終わって、すぐにまた読み返しました。
大ファンになりました。
そんな訳で、7歳の子どもを連れて観に行きました。
本当は妻と観に行きたかったんですが都合が合わず、子どもと行きました。
「7歳の子どもに理解できるのかなぁ~」と半信半疑ながらも連れていきました。
しかも映画がかなりの人気で、僕と子どもの席は隣ではなく、前後に1列離れた席。
「膝の上で観る?」と誘ったのですが、「大丈夫」と独りで観る子ども。
果たして、結果は……(続きは最後で)
(本日のあらすじ)
・昨日の質問と今日の質問は同じ状況に見えて、違う現象
・シミュレーションの重要性
・ユル~~く想定してみると電話恐怖症は軽減される
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今日は、昨日の「らぶやん」さんからのご相談の続きです。
「その上、初めての所に電話をかけるのも苦手です。
予約の電話でも、心臓が飛び出すのではないかと思うくらいドキドキします。
馴れたところなら、そうでもないのですが‥‥」
昨日は「知らない人の前で発言できません。(勿論会合で発表なんて持ってのほかです)」というご相談でした。
その解決策として「話し始める前に『うわぁ~~、良かったぁ~~』と心の中で呟くことで、ある種の自己暗示をかけて、トラウマ感や苦手感を軽減させると共に、逆に聞き手との間に良好な雰囲気を構築する」ということをご提案させて頂きました。
なぜ、それほど長くないご相談だったのに、わざわざ前半と後半に分けたのか?
桑山はネタが不足していて、なんでかんで長引かせつつ、出し惜しみしてるのか?
そうではないんです。
実は前半部分と後半部分は似ている状況に見えて、全く違うところに原因があるのです。
どこが、どう違うか、おわかりになりますか?
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前半は「マインド」の問題、後半は「手順」の問題です。
もう少し詳しく言うと、前半の「知らない人の前で話せない」という悩みには、実のところ原因はありません。
ただただ「苦手意識があるだけ」なんです。
通常、私達は何か問題が起こると「原因を究明(問題点を特定)して」「対策を検討して」「解決する」という手順を教え込まれています。
算数の文章題なんか、この手順を鍛えるためのトレーニングですよね?
ただ、この問題は苦手意識があるだけで原因がないので「なんでなんだろう?」といくら考えても結論は出ないんです。
もちろん、人生を事細かに分析していけば苦手意識の原因は究明できるのかもしれませんが、この問題に直結しているのは「苦手になった出来事」ではなくて「苦手意識」なんです。
だったら原因など特定する必要は全くなくて、「苦手意識のハードルを下げればいい」だけです。
それに対して、後半部分の「電話が苦手」は原因があります。
原因は意外過ぎるほど単純です。
「準備不足」です。
人間は「想定外のこと」「未知のこと」「どうなるか見当がつかないこと」に恐れを感じます。
人によって、そのポイントはまちまちです。
知らない道を歩くのが怖い人もいるでしょう。
どんな味かわからない料理を口に運び時にビクビクする人もいるでしょう。
今の仕事を辞めて、どうなるかわからない新しい仕事に踏み出すのに躊躇どころか恐怖する人もいるでしょう。
知らない人と会うことが死ぬほど恐怖を感じる人もいるでしょう。
これらの共通点・原因は「知らない」ことです。
ならば「知ればいい」んです。
もっと厳密に言うと「正確には知ることが出来ないけれど、『だいたいこんな感じだろう』と想定出来ればいい」んです。
プリンを口に運ぶときに「そのプリンがどんな味かは正確にはわからないけど、きっとこんな感じの味」だとアタリとつけてますよね?
キムチの味とか、ステーキの味とかを想像しながら口に含みませんよね?
アタリがついてるから、怖くはない。
逆に想像していた味を上回ると「うわっ、美味しい」となりますし、全然違う味だと「え? 何これ?」と違和感どころか不快感を感じることもあるはず。
ですから、今日の結論は
【電話を掛ける前に一度頭の中でシミュレーションしてみる】
です。
どんな感じの人が電話口に出るだろう? 男かな? 女かな? 中年くらい? 若者? かなりの高齢者? まさかの外国籍?
どんな口調だろう? なれなれしいのかな? ぶっきらぼうなのかな? 事務的? 敬語が苦手系? いきなり怒鳴られ罵倒されたら、それはそれでネタになるな。
どんな感じで話が展開するのかな? こっちがついていけないくらいトントン拍子で話が進んでいくのかな? こちらが何回説明しても要領を得なかったりして。
こんな感じで「なんとなく」想定してシミュレーションしておくんです。
昔流行ったホリエモンの名言で「想定の範囲内」というのがありました。
あの時、堀江さん、アワアワ慌ててなかったでしょ?
そうなんです。
ある程度、想定をしておくとそこから多少外れたとしても、パニックにならずにすみます。
それを知っていると、そこまで怖くなくなります。
実を言うと、相談者のらぶやんさん、意識してないだけで本能的に解決策を知っています。
ほら、相談の最後に「馴れているところなら、そうでもないんですが……」って書いていらっしゃいますでしょ?
これは想定の範囲内だからに他なりません。なら、想定してしまえば、未知のものも想定の範囲内になってしまいます。
この想定をする時のポイントは「なんとなく」です。
きっちり決め込んで作り込み過ぎると、逆に盲点を作りやすくなります。盲点にハマると、それこそパニックになります。
また「こうかな?」「もしかしたら、こんなことも?」「こんなことになったらどうしよう」と想定しすぎてもダメです。
考え込み過ぎて、その時点でストレスを抱え込み過ぎて、次の行動(電話をかける)に移りにくくなります。
「大体こんな感じかなぁ~」とユル~~く想定しておく。
「まさかこんな事はないよな」「逆にここまで想定外だったら笑っちゃうな。ネタになって美味しいかも」くらいまで考えておいて、最後は「なぁ~んだ、心配してたのはその程度か」と納得してから電話を掛けると、抵抗がなくなります。
これは何も電話を掛けることに限ったことではなく、「なんか行動が起こしにくい」時にも応用が出来るのではないかと思います。
是非、お試しあれ!!
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さて「僕は明日、昨日のきみとデートする」ですが……あらかじめストーリーを知っていたので、開始5分からボロ泣きでした。
その後にも、ふとしたきっかけでボロ泣きの連続。
前半は彼女に感情移入してボロ泣き、後半は彼に感情移入してボロ泣きでした。
もう10回以上は泣いたんじゃないかな。
で、映画が終わって子どもに訊きました。
「難しいお話だったと思うけど、意味わかった?」
すると「お話はわかったけど、面白くなかった。それに隣の人が怖かったんだもん」
「隣の人が怖かったの? そんなに怖そうな人には見えなかったけどなぁ。何か言われたの?」
「何にも言われなかったけど、ずっと隣で笑い顔をしたまま観てたんだよ、その男の人」
……たぶん、ずっとすすり泣きしながら観てた僕の隣の人の方がよっぽど怖かったと思う。