落ち着きのない大人が 手あたり次第にチャレンジします!!

芸人にとっては一番恥ずかしいタネ明かし(わらプレvol.50)

2020/03/30
 
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社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

今日は前フリなしでいきなり行きますよ!!

(本日のあらすじ)
・過去のFacebookを加筆修正した、大したことない「コジロー日記」
・昨日の解説の沿って分析したタネ明かし
・このテンプレート(手順)は面倒くさそうに見えるけど、慣れるのは早い

では予告通り、過去の「コジロー日記」から若干加筆修正したものを、まずは読んで頂きましょう。

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うちの子、コジローは僕よりもよっぽど映画好きである。
特に好きなのが「スターウォーズ」と「ハリーポッター」のシリーズ。
ETすら観ていない僕にとっては、この「シリーズもの」というのがどうも苦手でなかなか取っつき辛い。

夏の家族旅行で「どこに行くか?」と話が出た時に、妻は「沖縄に行きたい」と言った。
それに対してコジローは「USJのハリーポッター」と「福井の恐竜博物館」を主張。
意見が真っ向から対立する。
当然のように、僕は意見を主張する機会すら与えられない。

2人で話し合った結果、コジロー案が可決。
コジローは「ハリーポッターが乗ったほうきと魔法の杖を絶対買うんだ」と意気込んでいる。

USJに行ったものの、コジローは年齢的にも身長的にもハリーポッターの乗り物には乗れず。
落胆するのかと思いきや、さにあらず。
何故って、彼の目的はハリーポッターが乗ったほうきの「ニンバス2000」と「魔法の杖」だからだ。
バタービールを飲んだ後、無事にニンバス2000と魔法の杖を購入し、大満足のコジロー。

しかし、意外にも盲点があった。
それはホテルに帰ってきて次の福井へ移動しようとしている時に発覚した。

ニンバス2000のサイズが微妙に大き過ぎて宅配便でも送れず、駅のロッカーにも入らないのだ。
どこにも預けることが出来ないまま、コジローはずっとほうきを持って歩くハメに。
こんなもの持ち歩いてる人はほぼいないので、コジローの注目度はピカイチだ。
駅ですれ違う人が、かなりの確率でガン見する。
子ども相手ならほぼ100%!!

とは言え、そんなことは夫婦には関係なく、ただ邪魔な存在。
コジローが持ち歩くのが疲れると、こっちに回ってくる。
妻曰く「だんだん猪八戒の熊手に見えてきた」

さて、福井の恐竜博物館を見学した後に宿泊するホテルは金沢の老舗ホテル。
せっかく金沢に来たのだからと奮発して老舗に泊まってみたのだ。
しかし、ここで大いなる不安が。

そう、ニンバス2000である。
コジローの背と同じくらいの高さのほうき。
しかも持ち歩いているのは子ども。
周りの人にぶつかったり、あるいは展示してある高価な壺にでも当たったら目も当てられない。
また、こういう老舗のホテルや旅館は、宿泊客もみんな節度を持って行動していると聞いたことがある。
ホテル側も他のお客さんに配慮して、きっとそういう事に対しては細かく厳しいに違いない。
ちょっと頭をもたげた不安は、入道雲のように急成長していく。

「駅のロッカーにも入らず、宅配便でも送れない」
そのように事情を説明したところで、ホテル側にとっては「そんなことは関係ない」ことだろう。
僕の不安を見透かしたようにホテルのフロントで、女性スタッフがすぐにニンバス2000を発見。そして凝視。
銀縁眼鏡を光らせながら、まっすぐにコジローのところへ向かってくる。

「すみません。ご迷惑をかけないように注意しますので」
事情を説明して、そのように平謝りをしようとした瞬間、女性スタッフはコジローの前にしゃがんで、こう注意したのだ。

「お客様、恐れ入りますが館内では飛ばないようにお願い致します」

コジローよりも僕の方が感動した。
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いかがでしたか?
少しは飽きずに読めましたか?

この話、ぶっちゃけ言うと
邪魔なほうきのおもちゃを持ってホテルに入って怒られるかと思ったら、「意外にも」洒落たことを言われた
っていうだけの話です。

この言い方に比べると多少はドラマチックになってるでしょ?

ちなみに、この「意外にも洒落たこと」が一番言いたいことです。

なぜこれが意外だと感じたかと言うと「怒られそう」と思ったから。

順に解説すると

「うちの子、コジローは」~「大満足のコジロー」までは情報提供です。
Facebookでは繰り返し出てきているコジローですが、メルマガ初登場のため、彼の趣味嗜好を詳しめに説明しています。
本当はキャラクターまで説明したいところだけど、そこまでやると「前フリ」が長くなりすぎるので、泣く泣く割愛です。
(本当は今の分量でも前フリとしては長すぎるくらいです)

「しかし、意外にも盲点があった」で話の方向転換を図っています。

「とはいえ、そんなことは夫婦には関係なく、ただ邪魔な存在」から、ミスディレクションの種まきが始まります。
そして老舗ホテルを強調し、老舗ホテルに対する個人的偏見を披露して流れを決定づけます。
さらに「銀縁眼鏡の女性スタッフ」という、いかにも冷徹そうな言い回しで煽っています。

そして最後の台詞でオチ。
これは直前で過剰なほど煽っているので落差が出るわけです。

実際にこれを文章でなくて、対面で話した方がもっと効果を実感してもらえるのですが……。

いかがでしょう?
少しは「裏切り」の構成を理解する参考になりましたか?

こう順序立てて書くと、「スゲー面倒くさい」感じに思えるかもしれません。
えぇ、実際、意外と面倒くさいんです。
た・だ・し……






但し、最初のうちだけです。

最初の1~2回は、このテンプレートに当てはめていくのが難しい、面倒くさいと感じると思います。
ですが、3回目くらいから「なんとなく」慣れてきます。
気が付けば、話しながら「あ、ここ情報をこれとこれを足しといたほうがいいな」とか、聞いてる人の表情を見ながら「もうちょっと煽ってもついてきてくれそう」などと判断できるようになります。

話しながら、この作業を行うには「頭を七三に分ける」技術が必要になってきますが……。

でも、思っているより難しくなく慣れることが出来ると思います。
是非、お試しあれ!!

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