例えるならば……と言いながら例えられてない奴っていません?(わらプレvol.55)
今日は江東区文化センターで公演でした。
朝、夢を見ました。
どこか外部のお笑いライブに若手と言われるメンバーで出演するようです。
ひとりずつピンネタを持ってくるのですが、僕はどうやってもネタを作ることが出来ません。
結局、ネタを作れないまま、控え室に行き、苦悩と葛藤の末、こっそりメンバーの先輩にネタが出来なかったことを報告します。
先輩は烈火のごとく怒り、キレまくります。
必死に謝っているところで目が覚めました。
最悪の目覚めです(笑)
実はいまだにザ・ニュースペーパーの舞台がある日は
「台詞を忘れるんじゃないか」
「なにか取り返しのつかない忘れ物をするんじゃないか」
「集合場所や集合時間を間違えるんじゃないか」
と凄く不安になるのです。
意外ですか?
ま、そんな僕なので、人前が苦手な人の気持ちは痛いほどわかるんですけどね。
(本日のあらすじ)
・例え話はちゃんとリンクしていなければダメ
・例えた結果、わかりやすくなってないとダメ
・相手の興味のあることで例えないとダメ
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今日のテーマは「例え話」です。
話をするときに例え話を入れると強力です。
話が一辺倒にならずに済みますし、また上手く例えられれば理解しやすいばかりでなく、面白いと記憶に残ります。
実はザ・ニュースペーパーでも「例え話」と呼ばれるネタのジャンルがあります。
2010年に北朝鮮の後継者争いで長男・次男・三男の中から誰が選ばれるかと揉めたときにやったネタは「シェイクスピアのリア王」になぞってネタにしました。
また、西武グループが家督争いで揺れたときも「はだかの王様」のパロディとしてネタにしたこともあります。
随分昔の話だなぁと感じるかもしれません。
そうなのです。
そんなに連発できない理由があるのです。
例えねたは、稽古場でアイデアが出たときは、「すっごい面白い!!」と盛り上がるのですが、コントとして体現してみると、これがなかなか難しいのです。
テレビのコント番組などで時々映画のパロディをやっていることがあります。
もちろん、それぞれの好みもあるのでしょうが、通常のオリジナルコントよりパワーダウンしているように感じるのは僕だけなのでしょうか?
これには理由があります。
というのも、「例え話」は話を頭の中で想像して照らし合わせて、再構築してこそ面白いからです。
ですから、「例え話」や「パロディ」はコントよりも、むしろ喋り言葉に向いているのではないかと思います。
例え話をするときにはポイントが3つあります。
1つめは「例えようとする物語と説明したい事柄がちゃんとリンクしているか?」ということです。
例えば、「人前で緊張するのを回避するための方法」として、「いきなりは無理かもしれないけれど、一つのコツをまず習得して、そのコツを足がかりにまた次のコツ……っていう風に、ちょっとずつステップアップしていけば、いずれは予想もしなかった結果が得られるようになるよ」という様なことを言いたかったとします。
そのときに、「例えば、おむすびころりんに例えると……」ってやったら、聞いている人は「ん??」ってなるでしょ?
それなら「わらしべ長者」に例える方がまだ近い。
2つめは「例えた結果が例える前よりわかりやすくなっているか?」ということ。
これには少し苦い思いがあります。
サブプライムローン破綻による世界不況をネタに使用としたとき、「サブ太郎」として昔話風に例えようとしました。
長者さんが家がなくて困っているサブ太郎のために家を買う金を貸してあげます。
でも欲張りの長者さんは、自分が損をするのは絶対にイヤなので自分の貸したお金を細かく割って札にして売り出します。
この札はサブ太郎にお金が出来ると、札と交換にお金を返してもらえます。
しかも買った金額より少し多いお金を。
儲かるし、人助けが出来ると話題になった札はたちまち村中に広がります。
しかし、やがてお金が返せない村人が現れ始め……という話です。
このネタ、ボツになりました。
理由は明快。
「元ネタもわからないし、基本的にサブプライムローンの仕組みが理解できてないと、話の意味がわからない。難しいことを難しく言ってるだけ」
なるほどなぁ~と思いました。
3つめは……もしかしたら、これが一番やりがちかもしれないけど……「相手の興味あることで例えているか?」ということです。
例えば社内プレゼンテーションで緊張して困っている40代から50代のサラリーマン相手に「キラキラプリキュア・アラモード」で「キュアホイップが苦悩の末に乗り越えた話」に例えても100%響かないわけです。
そんな奴はいねぇ~~よ!!
っていうツッコミが聞こえてきそうですね。
では、これはどうでしょう?
仕事にやる気や覇気を感じない、いわゆる草食系と呼ばれる20代サラリーマンに向かって
「確かに君達の行動はゴルフに例えると、フェアウェイを着実に刻んでいくスタイルだ。しかし、時にはバンカーや池、森を越えて狙いに行かなければ一生かかってもバーディーはおろか、パーも取れないぞ。みんなそうやってシングルプレイヤーになっていくもんだ!!」
なんか誰かがやってそうじゃないですか?
でも、これもおそらく響かないでしょう。
草食系男子がハタと気付いて
「そうか!! 目から鱗でした。フェアウェイ以外でも草はあるんですね!!」
などと納得したら「そっちの意味での草食系かいっ!!」とツッコミが入りますよね。
これじゃコントです。
例える内容は「相手が興味あること」、これは鉄則です。
最低でも「相手が知っていること」。
興味があることがわからなければ、とりあえずのお勧めは「昔話」「童話」です。
これもおそらくは8割以上の人が知っている超有名なものが望ましいと思います。
「桃太郎」「浦島太郎」「3匹のこぶた」……このレベルです。
全くの余談ですが、以前僕が書いたコントの最中に「桃太郎」のパロディで「ドラゴンフルーツ太郎」という無茶苦茶な御題を提示して、先輩に丸投げしたことがあります。
先輩が考えてきたストーリーのあまりのブッ飛び具合に大笑いしました。
その笑いはお客さんも一緒でした。
それも「桃太郎」という超有名な基盤があってこそ、なのです。
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今日は2回公演。
しかも明日は人生初のハーフマラソン。
ちょっと当たり前の話っぽくてキレがないように感じられたら、そういうことです(笑)
もう寝ます。夜分遅くにごめんなさい。
今朝の体重
体重:64.8kg(やっぱり戻ったね)
体脂肪率:17.5%(こっちはキープだけどね)