落ち着きのない大人が 手あたり次第にチャレンジします!!

抽象的な黒テントで哭声(わらプレvol.85)

2020/05/05
 
この記事を書いている人 - WRITER -
桑山 元
社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

今日は勧められた韓国映画『哭声(コクソン)』を観てきました。
そして昨日は劇団黒テントさんの『亡国のダンサー』を観てきました。

Facebookではどちらも「なんちゃってレビュー」を書いたのですが、どっちも難しかった……。
いや、レビューを書くことが難しかったわけではなくて……。
むしろレビューを書くことによって、自分の頭の中を整理した感じです。
もう、物語自体が難しいんですよ。

僕はついついストーリーを追ってしまい、またストーリーにしか興味がないことも混乱の原因になっているのですが、昨日今日観たこの2つはストーリーが破天荒すぎる。
特に黒テント!!
目の前で会話が行われているのですが、全く意味がわからない。
会話の一言一句ははっきりわかる。その文章単体の意味もちゃんとわかる。
でも、全体としてわからないんです。

詳しくは少し長めのなんちゃってレビューに書いてあるので、興味のある方はお読み下さい。

【桑山のレビュー】黒テント『亡国のダンサー』
https://www.facebook.com/kuwayamagen/posts/1446061005468902?notif_t=like&notif_id=1490784922298449

こっちはネタバレのストーリーも含んだ他人の記事です(僕のレビューはネタバレには触れていないため)
http://hiromochikimura.com/20170328-2/

【桑山のレビュー】韓国映画『哭声(コクソン)』

https://www.facebook.com/kuwayamagen/posts/1446108918797444?notif_t=like&notif_id=1490788039646313

こっちはネタバレのストーリーも含んだ他人の記事です(僕のレビューはネタバレには触れていないため)
http://www.aboutman7.com/entry/2017/03/15/120524

(本日のあらすじ)
・抽象度とは、階層で表せる概念のこと
・具体性を欠くと抽象度が上がる
・人前で話すときには具体的に説明し、抽象的に想像させる

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

最初に言っておきます。
今日の話はちょっと難しいです。
難しいというか、ややこしいです。そして長いです。

先ほどの黒テントさんの話ではありませんが、物事を話すときには「抽象度」というものがあります。

例えば「今までに犬を見たことがありますか?」と100人の人に聞けば、ほとんどの人が「見たことある」と答えるでしょう。
でも、「その犬って格好よかったですか? 可愛かったですか?」と聞き、「その犬の絵を描いて下さい」とお願いすると、おそらく全員が同じ犬種の犬を描くことはないはずです。
ある人は柴犬を描き、ある人はチワワを描き、ある人はポメラニアン、別の人はトイプードル、こっちの人はパピヨン、もしかしたらセントバーナードやドーベルマンをイメージしている人もいるかもしれません。
つまり「犬」と一口に言っても、そのイメージは意外とバラバラなのです。

これは「柴犬」と言っても同じです。
人は今までの経験から培った引き出し(これを参照枠と言います)から、聞いた言葉に反応してイメージを引き出します。
ですから近所に住んでいた「タロ」という柴犬がやたら吠える犬だったという記憶が強ければ「柴犬=すごく吠える犬」というイメージでその人の中では固定されますし、おじいちゃんの家で飼っていた「サスケ」がおとなしくて誰にでも懐く犬だったら「柴犬=人懐っこい」というイメージで固定されます。

話を元に戻しましょう。
高校野球のトーナメント戦の表をイメージして下さい。
例えばこの「タロ」「サスケ」といった個別の犬がいます。
これが一番下の一回戦前の状態です。
そこから一回勝ち抜くと(一階層上がると)それらを統合する名称が必要になります。
これが「柴犬」です。
さらにもう一階層上げて秋田犬や甲斐犬、土佐犬、紀州犬などと統合するとどうなりますか?
そう、日本犬です。
もう一階層上げると「犬」、さらに上げると「哺乳類」「脊椎動物」「動物」「生き物」と上がっていくわけです。
これが「抽象度を上げる」ということです。

お気づきの通り、抽象度が下がるほど具体的にイメージできます。
しかし下がりすぎると個別案件になってくるので、逆にイメージしにくくなります。
逆に抽象度が上がるほど、イメージはぼやけてきます。
その代わり、聞いた人がそれぞれのイメージを重ねることが出来ます。

「生き物は、敵に襲われたときには、生きるために必死に戦います」
どうでしょう?
いや、どうでしょうって何が? みたいな感覚じゃないでしょうか。
ふ~ん、そうなんだ~。もしくは、まぁそうだろうねぇ~、みたいな感じじゃないですか?

では、
「うちで飼っている柴犬のタロは、敵に襲われたときには、生きるために必死に戦います」
これならどうでしょう?
なんとなく絵が浮かびそうでしょ?

でも、「生き物は~」と最初に聞いた文章の方がなんか壮大な感じがしませんか?

授業など人前で話す時に、ここのコントロールを見誤っている人が多いように感じます。

例えば、小説家さんなどはこの辺のコントロールが絶妙です。

その後藤ゆかりは身長は158cmで黒髪。ストレートで肩口くらいまでに切りそろえられた髪型が印象的だった。目は少し茶色がかっていて鼻筋は通っているが鼻は少し上を向いている。ピンク色の唇は上下とも1cmほどの厚みだ。顎はやや尖っていた。

という表現よりも

その後藤ゆかりは息を飲むほどの美人ではなかったが、クラスで3番目くらいに可愛い女の子だった。サラサラの黒髪とシャープな顎のライン、クリクリとした鳶色の目。よく見ればかなりの美人だった。

という表現の方が、聞き手側のこっちが勝手に想像出来て楽じゃありませんか?
でも、具体的な情報は前者のほうが詳しいんです。

かと言って、

その後藤ゆかりは割と美人だった。

だと、イメージする取っ掛かりがなくて、「薄っぺらい表現」と思われるのがオチです。

授業でも、このコントロールが肝になります。
教えておかなければならないところはデータで詰めなければなりません。

例えば……
中大兄皇子や中臣鎌足が蘇我入鹿を645年に暗殺しました。これを乙巳の変と言います。その後に中大兄皇子、中臣鎌足が行った改革を大化の改新と呼びます。

これだとデータの羅列です。
データの羅列だと個別案件過ぎて、人は「自分に関係ないこと」として処理しようとします。
ですから、ここは抽象度を少し上げて、「自分にも思い当たることがある」という「共感できるレベル」にまでしなければなりません。

この蘇我入鹿って奴はどんどん力をつけていった。そして、自分の血を引くものを天皇の座につけようとしたんだ。
それじゃ益々こいつの横暴が止まらなくなると心配した中大兄皇子や中臣鎌足が蘇我入鹿を暗殺して、世の中が悪い方向に行くのを防ごうと思ったんだよ。
ほら、小学校2~3年生の頃とか思い返してみて。なんかさ、クラスで幅利かせてるボスみたいなの、いなかった?
そう、そのボスが、どんどん調子に乗って、先生も注意できないくらいに我がもの顔で振舞ってたわけ。
「これじゃクラスがメチャクチャだ」と思った図書係と保険係の子が勇気を出して、「なんとかしよう」と思ったんだよ。
でも、相手はボスじゃん?
正面から戦いを挑んだって勝てっこない。
だから何人か生き物係とか新聞係とか集めてさ、嘘ついて校舎裏に呼び出したわけ。
そこで待ち構えていたみんなでボコボコにして、「ごめんごめん。もう俺でしゃばらないからさ」みたいにしたのね。これが乙巳の変。その後、図書係と保険係でクラスのルールを1から決めたの。これが大化の改新。

みたいな方がわかりやすくない?

これが数学や物理、化学みたいな数式系だともっと抽象度を下げて具体的に寄せないとイメージが出来ない。

長方形の面積って……例えば、長方形を立てて、そこに砂をどんどこ入れていくのをイメージするのね。
砂1粒1粒が一番下に行き渡るよね。
そうすると、どんどん1粒2粒って上に貯まって行くじゃない?
じゃあ、この長方形の面積はって言えば、最初に敷き詰められた砂が何粒くらい上に積み重なったかってことだから、横×縦で面積って出るよね?

次に平行四辺形を見てみよう。
同じように平行四辺形を立てて、砂を敷き詰めていくとすると……
ほら、砂1粒1粒の積み重ねになるでしょ。
ここで横の長さを見てほしい。
一番下も5粒目の高さも、36粒目の高さも横の長さは一緒でしょ?
だから平行四辺形の面積も底辺(横)×高さ(縦)でいいんだよ、と。

イメージできるくらいに抽象度を上げる、または具体性を持たせてイメージできるところまで抽象度を下げる。
これ、一朝一夕にはうまくいかないと思いますけど、試行錯誤してみる価値はありますよ。

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

ちなみに僕の話は抽象度が低いので、個別事案が多くて、すごく長くなるのが欠点です。
今回も2回分くらいの分量になっちゃいました。
次回から「抽象度を多少上げて」短く、簡潔に書きたいと思います。

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