落ち着きのない大人が 手あたり次第にチャレンジします!!

遅刻魔を治したトレーシングペーパー(わらプレvol.80)

2020/03/30
 
この記事を書いている人 - WRITER -
桑山 元
社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

先日、名古屋のカトちゃんが東京に来るというので飲みに行きました。
カトちゃんというのは大学の同級生で、今、名古屋でM&Aの会社を興した社長です。
もう21社ほどのM&Aのお手伝いをしたそうです。

以前、それを聞いたときに僕は物凄い違和感を覚えました。
というのは、カトちゃんは学生時代、超がつくほどのお人好しで温和な性格というイメージがあったからです。
「なんか意外だね、カトちゃんがそんな仕事をするなんて。カトちゃんに対して全然そんなイメージないよ」
と本人に向かって言ったほどです。
かとちゃんはきょとんとして「なんで? むしろサラリーマンで働いていた時より自分らしい気がするけど」と言っていました。

僕はサラリーマン時代に(ほんの短い間でしたが)運用部門にいた関係で、M&Aと聞くとどうしても「株式の公開買い付けTOBなどでの攻防」など血生臭い戦いを想像してしまいます。
ほら、以前ホリエモンこと堀江貴文さんが近鉄バッファローズを買おうとしたり、ニッポン放送を買収しようとした、ああいう感じです。
もしくは「プリティーウーマン」に出てくる、今までの会社を買い取り、部門ごとに切り刻んで、高値で売り捌くようなイメージ。

ところが、実際のM&Aというのは全然違うそうです。
「M&Aを例えると……」とカトちゃんが以前僕に教えてくれた言葉は意外なものでした。
その言葉とは……(続きは最後)

(今回のあらすじ)
・相手に響く言葉で話すためには、相手の考え方や相手の感情にリンクする必要がある
・トレーニング方法としては、相手の思考をトレースする
・思考のトレースは、プレゼン術、コミュニケーション術の両方に有効

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先ほどのM&Aの話にしてもそうですが、自分の「思い込み」には、なかなか自分では気づけないものです。
これは程度の差こそあれ、どの人間もそうなのです。
だから別に取り立てて自分を責める必要はないのですが、でも逆に考えると、他人より少しでもこの「思い込み」の傾向を薄められたら素晴らしいと思いませんか?

例えば、僕らは他人に対して「レッテル」を貼ることがよくあります。
あの人は「すぐに仕事をさぼる人」だ。
あの人は「時間にルーズな人」だ。
あの人は「必ず文句を言う人」だ。

僕は今は「約束の時間には遅れない人」です。
たぶん遅刻をしたのは、この8年間で1~2回じゃないでしょうか。
でも、9年前は大の遅刻魔でした。

皆さんは遅刻をする人は何故遅刻をすると思っていますか?

別に時間を守らなくてもどうということはない、と思っているから?
遅刻をすることに罪の意識を感じていないから?
セルフコントロールが出来ない人だから?

遅刻をする人が10人いれば10人の理由があるのでしょうが、僕の場合は「時間を大切にしたいから」でした。

へ? って感じでしょ。
時間を大切にしたいなら、何故、遅刻をするの?

実は「時間は有限」「時間は極力、有効に使わなければもったいない」と思っていたので、待ち合わせギリギリまで他の作業をしていたのです。
もちろん、遅刻は良くないことだと分かっていましたし、遅刻に対して罪の意識もありました。

例えば、10:30に待ち合わせをしたとします。
待ち合わせ場所まで、自宅を出てから30分かかる。
10:00に家を出たら、丁度10:30に待ち合わせ場所に着く。
そういう場合に「せっかくだから」と10:00ギリギリまでコントの台本を書いていたり、パソコンでネットサーフィンしながら調べ物をしてたりするのです。
では、いつも極限まで効率的に時間を使っていたのかというと、そうではありません。
問題の本質は「せっかくだから」という思考パターンにあったのです。

以前から観たいと思っていた映画が金曜ロードショーでやる。
「せっかくだから」と観る。

携帯でゲームを始める。
もう少しでレベルが上がりそうだ。
「せっかくだから」と予定の時間を少し超えてゲームを続ける。

友達や先輩に飲みに誘われる。
「せっかくだから」と飲みに行く。

先ほど自分で言った通り「時間は有限」です。
こういった積み重ねで「本来やらなければならないこと」が後回しになっていきます。
そして、待ち合わせの出発時間ギリギリまで作業を続け、作業が一段落しなければ、ここまでやってきて「せっかくだから」と、あと5分延長する。
10:05に家を慌てて飛び出して、案の定、遅刻する。

さて、こんな人に「お前は遅刻して罪の意識がないのか?」と諭したとして、その人の心に響いて、行動が変わるでしょうか?

もちろん変わりませんよね。
だって、遅刻は罪だとは思っているけど、遅刻しちゃってるんですから。
「いや、それはわかってるんですよ」
「わかってないだろ」
「もちろん、遅刻して反省してますし、いけないことだとは思ってます」
「思ってたら、なんで遅刻するんだよ!! だいたい、お前は全てにおいてそうだ」
堂々巡りの会話の末、問題が解決しないまま「こいつは全然わかってねぇ」とお互いに思うのが関の山です。

僕の場合は「時間を有効に使うのは重要だよね。でも、時間を有効に使う究極の目的って、信頼関係を構築するためなんじゃない? だったら時間を効率的に使おうと思って、遅刻して、信頼を失ってたら本末転倒じゃない?」という言葉でした。
この言葉通りではありませんでしたが、こういうニュアンスのことでした。
言われてみればその通りで、仕事で成功するには信頼関係が大事。
「良い作品を書けば関係ない」とか思っていた時期もあったけど、信頼関係を構築出来ない奴より出来る奴の方が、皆に共感できる作品は書けそうだ。
なるほど、自分では気付かなかったが、普遍の真理だと思っていた考え方は、独りよがりの自己中心的な考え方だったのか、と。
ま、そんなこと、普通に気付けよって話なんですが……(笑)

ポイントは僕の考え方に一度リンクしてから、「その考え方でいくと……」と導いてくれたことです。

よく、会話をしていると職場でも家庭でも意見が喰い違うことがあります。
そんな時に「何言ってんの? 訳わかんない!!」とか「こいつ、バカなんじゃないの?」と思い、心のシャッターをガラガラと閉めるのは簡単です。
でも、何も解決しませんし、ずっと理解できないままです。

訳の分からないことを言われたら、「どういう理論・どういう思考経路を辿ると、そういう結論になるんだろう?」と考えてみることをお勧めします。
僕はこれを『思考のトレース』と呼んでいます。
トレーシングペーパーってご存知ですか?
あの薄くて裏が透ける紙です。
あたかもあの紙を置いて、薄紙越しに写る微かな線を上から鉛筆で辿るように「もしかして、こういう考え方をしたから、こういう行動に出たのかな?」「この人はこういう風に思い込んでいたから、こんな言葉で発言したんじゃないかな?」と仮説を立ててみるのです。
もちろん、その仮説が合っているとは限りませんし、答え合わせも出来ません。
でも、これは「相手の考えていること・望んでいること」を推測する非常の良いトレーニングになります。

一見面倒くさいこの『思考のトレース』トレーニングは、1対1の会話というコミュニケーション術においても、大勢の前で話すプレゼン術においても、相手に響く話し方が出来る一番の近道になります。
だって、みんな、自分のことをわかってくれる人は大好きですし、そういう人の話は一生懸命聞こうと思いますもん。

とは言え、僕だって年中こんな聖人君子のようなことは出来ません(笑)
心掛けてはいるんですけどね。
でも、この方法を知っておくと、単に「ムカついた」ではなく、意見の喰い違いという一つの事実を、自分の成長に結びつけることが出来ると思うのです。
是非、お試しあれ!!

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カトちゃんが語ったM&Aとは「結婚」でした。
全く違う生き方をしてきた会社同士が、もっと良い方向にいくために、時にお互いの強みで助け合い、時に一歩引いて譲る。
そうして独り身でいる時より、お互いが豊かになるのがM&Aだと言っていました。
「僕はそのお手伝いをしているから、世話好きでお節介な仲人かな」
なるほど、サラリーマン時代よりもカトちゃん向きな仕事だと思いました。

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桑山 元
社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

Comment

  1. アバター そよ風 より:

    コメント欄、気付いたら感想じゃなくて、桑山さんが書かれていることに対する類似した自分の体験談みたいになっちゃってますね。自分の話をしちゃってるけど、良かったのかかなり迷ってきました(笑)
    ごめんなさいm(_ _)m
    遅刻に関してですが、私は人から言われたことを守っています。「遅刻はしないようにしなさい。でも、相手が遅れてきて待たされたとしてもイライラしたり、怒ったりしない人になりなさい。」と。
    私も五分くらい遅れてしまうことはあります。大抵は方向音痴が原因です。
    お陰様で待つのは得意です(笑)レストランの待ちですら平気です。

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