5分で、なんとなくわかる「鬼滅の刃」
最初に言っておきます。
「5分で、なんとなく」シリーズは、
僕が理解できるレベルで書いてあるので……
・かなり「ザックリ」と「ランボー」にまとめてあります
・「その程度か」という事しか書いていません
・より「専門的」で「正確」な事が知りたい方は他のサイトやブログをお勧めします
では、本題に。
2020年の5月18日発売の「週刊少年ジャンプ 24号」で、205話にて完結となった
小中学生を初めとして若者には社会現象となった「鬼滅の刃」
でもベテラン大人には、やや、なじみが薄い。
とはいえ、知らないのも癪に障るので、5分くらいでサクッと概要だけをご紹介。
●本当にそんなにブームなの?
オリコン週間コミックランキングによると、2/24には、
売上ベスト20の1位~19位までを「鬼滅の刃」1巻~19巻が独占。
さらに、5/8発表のオリコン週間コミックランキングでも1位~19位を
(最新刊の20巻発売前なのに)独占するという事態。
先日5/13に発売された最新刊の20巻は、外出自粛にも関わらず
各書店で売り切れ続出。
マスクのように「1人1冊まで」の制限付きでも売り切れ続出。
(初版280万部、20巻までの累計発行部数は6,000万部)
かくいう私も出遅れて、買えずじまい。
ネットでも売り切れ続出で、次回入荷は6月上旬だそうだ。
まだ、いまいち、ピンと来ない?
独占した週(4/27~5/3)の売上部数を見てみよう。
(念のために言っておくが最新刊280万部の発売前の状況である)
「オリコン週間ブックランキング」「オリコン週間コミックランキング」によると
書籍の1位~20位までの合計売上部数 564,977部
コミックの1位~20位までの合計売上部数 2,039,384部
しかも書籍の56.5万部のうち、3万部は「鬼滅の刃」の小説バージョン。
つまり、この週に売れた本のベスト20の合計部数(雑誌は除く)は2,604,361部。
そのうち「鬼滅の刃」関連の単行本・小説は1,994,190部。
売り上げ上位ベスト20の実に76.57%を占めている!!
瞬間的とはいえ、ヤバいなんていうレベルではない。
(僕も集計していて驚いた)
参考までに、この週のベスト20に入っていた小説は合計86,180部(3.31%)
実用書・新書は合計36,052部(0.64%)
健闘していたのはゲーム本(あつまれどうぶつの森・ファイナルファンタジー)で293,777部
若者の活字離れと言われているが、実は大人の方が離れているのかも!?
●どんな話なの?
舞台設定は大正時代。
鬼と呼ばれる種族が存在し、人間を喰っている。
だが鬼の存在は一般には知られていない。
主人公は竈門炭治郎(かまど・たんじろう)という心優しい炭焼き小屋の少年。
ある日、街に炭を売りに行き帰宅すると、一家は鬼に襲われ、ほぼ全員が即死。
唯一、息があった妹の禰豆子(ねずこ)は、鬼になってしまう。
炭治郎は、最愛の妹・禰豆子をなんとか人間に戻したい。
調べていくうちに、鬼にもランクがあり、下位の鬼は理性のないゾンビ状態だが
ランクが上位の鬼は意識も理性もしっかりしていることがわかる。
強く上位の鬼ならば、鬼になった人間をまた人間に戻す方法を知っているかも
しれないと考えた炭治郎は、強い鬼を求めて戦い続ける。
ざっくり言うと、こんな話。
●なんで、そんなに人気があるの?
・ジャンプ王道の「努力・友情・勝利」を基本ベースにしている
・世界観がよく練られている。
・必殺技がたくさん出てくる
・登場人物がどれも個性的で、それぞれの過去や背景を背負っている
・伏線や謎の仕掛け方が巧妙
など、幾つもの魅力はあるのだが、一番の特徴は
主人公の炭治郎が優しすぎること。
人間を喰らう、人間の敵である鬼。
本来、全滅させるべき憎しみの対象の鬼。
その鬼にすら「鬼にならざるを得なかった」と哀れみを感じるほどの優しさ。
敵の鬼が塵となって死んでいく瞬間。
普通であれば勝ち名乗りを上げるべきところなのに、
炭治郎は鬼を憐み、抱きしめてあげる。
敵である鬼もまた、それぞれの哀しい宿命を背負い、
そのストーリーが語られるところも魅力である。
ある者は生きるために仕方なく盗みに手を染めるしかなかった。
ある者は自分の夢を踏みにじられ絶望の果てに鬼となった。
ある者は病弱を克服するために鬼となるが、それが原因で両親が死に至り、鬼となっても家族に固執する。
敵側にガッツリ感情移入させる手法も、とても詩的で繊細な語り口である。
●おまけ
鬼には大ボスの鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)という者がいる。
彼は1,000年前から生き続け、青い彼岸花を探している。
鬼は日光の光に弱く、陽の光の当たる所には出られない。
(一説によると吸血鬼がモデルになっているらしい)
その弱点を克服するためには、「青い彼岸花」が必要だとされている。
最終話で、この「青い彼岸花」の謎も明かされる。
ここからは僕の勝手な考察なのであるが……
この「青い彼岸花」というのは、どうも比喩である気がしてならない。
彼岸花というのは通常「赤」である。
つまり、ブルーローズのような「ありえないもの」としての表現かと思っていた。
しかし、この「相反するもの」を共存させた時、もうひとつ上のステージに辿り着ける
(鬼は弱点を克服する)と考えたら、どうだろうか?
小池百合子 都知事風に言うと「アウフヘーベン」である。
「この図形は三角だ」
「いいや、丸だ」
より高次からみると「円錐だ」みたいなノリ。
鬼=身体能力は高く、身体も丈夫。だが人の心を持たない冷徹な者。
人間=身体能力も大したことないし、身体も脆い。でも心を持っている。
鬼に一番足りない感情(心)は?
それは「優しさ」なのではないだろうか。
だからこその主人公の「優しさ」がテーマなのではないか、と思ってしまう。
もし、鬼が優しさを持てたなら……もっと素敵な結末が迎えられたのかもしれない。
苦しい時こそ多様性を認めて、共存できるといいね
という作者の気持ちを感じてしまうのは、僕だけだろうか?
これで興味を少しでも持って頂けたら、嬉しいです♪
今回、主に参考にしたホームページなど
・https://www.ajpea.or.jp/information/20200124/index.html
・https://www.oricon.co.jp/rank/ob/w/2020-05-11/p/2/
・https://www.oricon.co.jp/rank/obc/w/2020-05-11/
・https://www.oricon.co.jp/news/2161685/full/
・https://news.mynavi.jp/article/20200507-1031984/
・https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AC%BC%E6%BB%85%E3%81%AE%E5%88%83
・https://renote.jp/categories/anime-manga
・https://pdmagazine.jp/background/aufheben/
・https://kotoba-map.com/1945.html/3
・https://www.youtube.com/channel/UCuhBurRQwv453jyrRS-mytg
・https://www.youtube.com/channel/UChseO6O70iFxZ06eE4uq5KA
・「鬼滅の刃」1巻~19巻 吾峠呼世晴(集英社)