落ち着きのない大人が 手あたり次第にチャレンジします!!

印籠の効果って何?(わらプレvol.173)

2020/05/05
 
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社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

昨日は銀座博品館劇場での本公演初日でした。
インターネットラジオをやっているDJ.Bekkyも観に来てくれました。
http://radio-chronicle.com/dj-index-bekky.html
なのに台詞でミスってしまい、とっても悔しい!!

さて、後悔してても始まらない。今日こそは!!
今日は長くなるので早速本題です。
今日は、水戸黄門プロットに僕のザ・ニュースペーパーに入るいきさつを当てはめる話でしたね。

ざっくりおさらいしておくと……
1.不安の種を感じる
2.悩み
3.挫折
4.調査や工夫、新たなアプローチ
5.解決
でした。

では!!

1.損害保険会社でサラリーマンをしていた僕は追い詰められていました。

というのも運用部門から営業部門に転勤になった途端、契約が全然取れないため、課長に毎日、別室に連れていかれて2時間説教を食らっていたからです。

営業の外回りから会社に帰ってくると、そのまま課長に別室に連れていかれる毎日。

「どうすれば契約が取れるようになるか?」とか「問題がどこにあるのか? その解決方法は?」などという話は一切出ず、延々と「桑山のダメなところ」を挙げられ、罵られるだけです。

2.そんな中、クレジットカード盗難保険という特殊な保険の企画書を任されました。

それまで運用部門にいた僕は金融商品や運用理論の知識は同期の銀行員に負けないくらいありましたが、肝心の保険の知識についてはスカスカも良いところ。

新入社員研修の時に習った基礎的なことも3年の運用部門で忘れかけてました。

火災保険や自動車保険という基礎的なこともおぼろげな中、新種保険の中でもマニアックな保険の企画書を任されました。

細かい字の約款を一から読み直して取り組むのですが全然進みません。

丸一日徹夜して、翌日は車で取引先を廻り、またその晩徹夜しようと思いつつ……パソコンの前で2時間居眠りしてしまい焦って作業に戻る。

翌日はまた徹夜して、その翌日はまた2時間居眠りしてしまい……といった日が一週間ほど続きました。

なんとか拙いながらも企画書を書き上げた頃には扁桃腺が腫れ上がり大好きなラーメンも1本すするのがやっとという状態でした。
その様子を課長代理が見ていて「わしが課長に言うといてやるから、明日の朝、会社行く前に病院寄ってこいや」と。

病院に行くと、既に高熱が出ていることもあり、即入院でした。

ナースセンターの前の公衆電話から会社に電話を入れると、課長代理が出ました。
「わしゃあ、病院に寄れとは言うたけどなぁ、入院せぇとは言うてないんじゃ、ボケ~!!」
結局、病状が改善するまで3週間入院しました。
相当、身体がボロボロだったようでした。
病院のベッドの上で「僕の居場所はここじゃないんじゃないか」と考えていました。
でも、それでもそこから1年間は頑張ったんですよ。

しかしながら転勤先の京都でも状況が大して変わらなかった時に僕の心は決まりました。
今にして思えば僕の知識やスキルが上がらなかったのですから結果が同じということは、すぐわかります。
しかし当時は「転勤すれば何かが変わる」と希望を持っていました。
その希望が崩れ去ったとき、僕は逃げるようにして会社を辞めました。

会社を辞める時、上司や同期の大多数は僕に、とっても冷たい対応をしました。
全員とは言いません。でも、過半数ではなく、大多数でした。
その時思ったんです。
「あぁ、この人達は桑山と付き合っていたのではなくて、将来幹部候補になるかもしれない人と付き合っていたんだな」と。
その考えが正しいのかどうかは、いまだにわかりません。
でも、当時はそう思ったんです。

3.「いつか見てろよ。見返してやる」
そんな気持ちで会社を辞めました。でも具体的な次の生き方があるわけでは全くありませんでした。
声優という職業を知ったのは、そんな時でした。

「養成所ガイド」という本を買い、色々と調べました。
その中の比較的安い養成所に狙いを絞り、受験しました。
めちゃめちゃ緊張しましたが、なんとか合格出来ました。

「見返してやりたい」
その一心から、初めて勉強する演技に体当たりでぶつかりました。
基礎科のクラスでは一番になりました。
そのまま本科に進級して、本科のクラスでもトップになりました。
難関と言われる研修科にもストレートで進級しました。
研修科では「キン肉マン」のブロッケンJr.や与作さんの声の水鳥鐡夫先生に可愛がってもらいました。
高木渉さんの所属していた劇団の演出をして、実質的に主催していた方です。
先生が亡くなった時には、可愛がっていた少数の生徒だけに奥様から葬儀の案内が届きました。
しかし、事務所から仕事で声がかかることは一回もありませんでした。
もちろん声優事務所に所属することもありませんでした。

世の中はそんなに甘くない。
そう思い知らされました。
会社を辞めた時にみんなが僕を見ていた目を思い出しました。
あの哀れみとも蔑みともいえない目。
「僕はやっぱりダメな人間なんだ。ダメな人間はどんなに頑張っても意味がないんだ」
悔しすぎて涙も出ませんでした。

4.そんな時、通っていた朗読教室の先生からザ・ニュースペーパーのことを教えてもらいました。
全然、興味が湧きませんでした。
よく「溺れる者は藁をも掴む」と言いますが、あれは嘘です。
溺れていても自分の興味がないものは、見えていないものです。
その先生は見えていない僕に無理やり見せようと、半強制的に僕をザ・ニュースペーパーの舞台に連れて行きました。
まだ新宿のコマ劇場が取り壊される前です。
地下にあるシアターアプルでした。
後にこのキャパ800の有名劇場が僕のデビュー劇場となるのですが、その時にはそんなこと、思いもよりませんでした。

観たら面白いんだ、これが!!
わからないネタも多かったのですが、なんか僕の感性にヒットするものがありました。

僕が中三の受験の時に立ち読みしたジョーク集が強烈に面白かったのを思い出しました。
書店に並んでいた薄い「禁断のブラックユーモア」という本でした。
高校に上がった時にそのネタを話しても誰にも理解されなかったのですが……。
今でも鮮烈に覚えているそれは、こんなネタです。

最近の研究で、聖書に出てくるアダムとイブはソ連(当時はソビエト連邦の時代でした)の出身であることがわかった。
なぜか?
その理由は「そこから一歩も出ずに、そこが楽園だと信じていたから」

書店でかなりニヤッと笑いました。
今ならさしずめ北朝鮮といったところでしょうか?
どうです?
今の僕が担当しているUSOニュースに通じるところがあると思いませんか?
(USOニュースをご存じない方は、いずれその一部をこのメルマガで公表しますね)

話が脱線しましたが、僕はダメ元でザ・ニュースペーパーの門を叩いてみました。
するとあっさり当時の社長と面接させてもらえることになりました。
当時の社長は僕が33歳だったことについて「良い年齢だねぇ」と言ってくれました。
僕が数々の劇団を受けて、足かせとなっていた年齢について
「ザ・ニュースペーパーは若ければいいというもんじゃない。ある程度の年齢を重ねるからこそわかる面白さもある」
と言ってくれました。
当時の僕には、それだけで充分でした。
今まで足かせ・欠点だと思っていたことが、一気に武器となったのです。
これは衝撃でした。

5.色々ありましたが、今日もこうしてザ・ニュースペーパーの舞台に僕は立っています。
去年の年末に放送された「徹子の部屋」に出たことが大きかったのでしょうか。
Facebookというツールも手伝って、昔の知り合いが徐々に集まってきました。
養成所時代の仲間、サラリーマン時代の同期、いじめられていた小中学校時代の知り合い……。

その時、僕の心にあったのは
「見返してやったぜ、ざまあみろ!!」
という感情ではありませんでした。
全くなかったのか? と聞かれれば、多少はあったと思います(笑)

でも、メインはその感情ではなく「また繋がれた」という嬉しさでした。
サラリーマン時代に課長に毎日別室に呼び出されて罵倒されていた頃には体験できないことや景色、そして気持ちが今、ここにはあります。

長くなり過ぎました。
ごめんなさい。

どうでしたか?
シンデレラ・プロットとは微妙に味わいが違ったのではないでしょうか?

では、ここで問題。
どこが違ったと思いますか?

僕が思う正解は
「シンデレラ・プロットが感動を重要視するのに対して、水戸黄門プロットはカタルシス(スッキリ感)を重要視する」
ということです。

こうやって、プロットを使い分けると「伝えたいこと」によって、使い分けることが可能だということがわかりますよね?
これが意外と重要なんですよ。

では、これからのネタばらしを少し。

次回は「ウルトラマン・ぷりきゅあ」プロットに挑戦してみます。
これは、「成長」を重要視したプロットです。

そして、その次には「これらのテンプレートで語ると、人生にどんな効果が出るのか?」という話をしたいと思います。
お楽しみに♪

P.S.
沖縄公演の時に「水鳥先生に愛された生徒」の一人だった清水敬一郎と飲んで幸せでした。

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