落ち着きのない大人が 手あたり次第にチャレンジします!!

タモさんの「いい天気だね~」「そうですね~」(わらプレvol.20)

2020/03/30
 
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社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に所属しています。 お笑い芸人の傍ら、「わかりやすい伝え方」を極めるべく、セールスライター、スピーチライター、講師、ライトノベル執筆に挑戦中! 最近は「遅ればせながら」御朱印集めにハマりつつあります。

子どもが5日間熱を出して学校を休んでいて、もう冬休みになってしまうので、学校に道具箱を取りに行きました。
1年1組の教室に行くと、担任の先生から意外な申し出が……。

「桑山さんって本職じゃないですか?」
何の?
「うちの学校ではゲストチーチャーとして色々な方をお迎えして講義をしてもらうんです。まだ仮の話なのですが、大きな声の出し方とか教えてもらうことは可能ですか?」
「僕でいいんですか?」
「公共の催しなので、お礼とかはお支払いできないのですが……」
いや、それは別に求めてないんですが……(笑)。そんなことより、1年に何度も喉を痛めて声を枯らす僕でいいんだろうか?(笑)
「何が出来るかは分かりませんが、私でよければ……」
とその場でお返事してきました。

帰り道に「あれって1年1組の話なのかな? それとも1年生全体にお話しするのかな? まさか、全校生徒?」などと考えていました。
もし全校生徒だとすると……。
僕はとんでもないことに気づき、ちょっと後悔し始めました。
その、とんでもない理由とは……(後半へ続く)

(今日のあらすじ)
・なぜ営業マンは天気の話をするのか?
・汎用性の高い話題はインパクトが低い
・天気の話は「共通の話題」の他に「イエスセット」の効果もある

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昨日は「共通の話題」としての新聞の話をしました。
共通の話題を持つことで「味方」「仲間」と認識されるという効果です。
みんなが読んでいる新聞、みんなが見ているテレビ番組、今流行している映画、今流行っている「お笑いネタ」。
これらは全て同じ効果を生んでいることに気がつくのではないでしょうか?

この一連の効果で、もっとも手軽で、もっともよく使われているのは何だと思いますか?

それは「天気」の話です。

「今日は寒いですね」
「なんか暖かくなったり寒くなったりが激しいですよね」
「気分が晴れ晴れとするような青空ですね」
「いまにも雨が降り出しそうな、嫌な感じの天気ですね」

実をいうと、天気の話は「つかみ」としては、とても弱い部類に入ります。
それは「使われ過ぎて一般化している」だけでなく、「話題としてのインパクトが不足」しているからです。
汎用性が高い話題、つまり誰にでも当てはまる話ほど、話題としてのインパクトは小さくなります。
逆に「他の人にはわからないだろう」というような限定された話題は、インパクトは大きくなります。

学生時代に友達同士でしかわからないマニアックな用語を使って盛り上がったりしませんでした?
実はキムタクのマネよりも、社会科の山田先生のモノマネや、数学のおじいちゃん先生のモノマネの方がウケてませんでした?
これも「秘密の共有」的な心理が働くからです。

では、何故天気の話はいまだに営業職などで使われているのか?
それは天気の話は共通の話題で共感を呼ぶ効果の他に、商談などでは「はい」としか答えられない効果も持っているからです。
心理学でいう「イエスセット」と呼ばれる効果です。
人間は「イエス」を連続して3回以上繰り返すと、次に「ノー」と言いにくくなる心理が働くと言われています。

「今日は晴れ晴れとする青空ですね」
「社長の趣味は釣りでしたっけ?」
「こういう天気の時は釣りに行くと気持ちいいんでしょうね」
「今の時期って、どんな魚が釣れるんですか?」
「あ、そうそう。この前はご契約の企画書をお見せしたんですっけ?」
「あれ、少しは目を通していただけました?」
「どこかご不明な点はございましたか?」
「もしよろしければ、もう一度簡単にご説明いたしましょうか?」

どうですか?
いきなり「この前の企画書についてご検討頂けましたか?」と聞くより、ずっと主導権を握って会話を進めやすくなると思いません?

天気の話はインパクトが小さい代わりに、注意すべきこともあまりありません。
強いて言うなら特別な狙いがない限り、一般的な感情と大きくかけ離れたことをいわないことぐらい。
外は大雨が降っているのに「いやぁ、気分が晴れ晴れとしてウキウキしますね」と言うと、大抵の人は「は?」となります。
そこで「なんで?」と興味を引くのが狙いならいいのですが、そうでなければ「共感」は得られません。

天気の話に比べると、ニュースの話はインパクトは大きくなります。
但しこのときに注意しなければならないことがあります。
それは「悲惨な事故、陰惨な事件」の話題はなるべく避けることです。
この話はまた明日。

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帰り道にふと思い出して後悔した理由とは、「うちの子が通う小学校には意外と有名人が多い」ことです。
普通の公立小学校なのですが、ちらほら有名人や業界関係の方がいらっしゃるようです。
同級生のパパ友にはテレビでよく見かける「キレキャラの中国人ジャーナリスト」がいます。
本人はテレビで演じているキャラとは正反対で、めっちゃ良い人。しかも意外とシャイです(笑)。
そして今年の運動会では大物俳優さんの姿も見かけました。
大河ドラマで敵役の大ボスを演じた超有名俳優さんです。

「もしかして、あの人たちの子どもの前で話をするのか? まさか親も来るんじゃないだろうな?」
じわじわと焦りがこみ上げてきます(笑)
でも「誰が有名か」「誰の成績が優秀か」と「自分に伝える資格があるか」は全く別物なんです。
聞いてる人に近い立場の人の方が、心に響くことが多い場合もあります。
もし「私なんかがこんな事を人前で言うのは、おこがましいんじゃないかな?」と萎縮しそうな時は思い出してください。
「桑山だって、こんな話をしているし、自分もその話を意外と楽しみに読んでいる」と。
嗚呼、着地点は自虐か……(笑)

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